快画ご感想「一体なにが起こったのか」


10月10日の快画塾鎌倉クラスは、以前何度かキャラクターの仕事でご一緒させていただいたデザイナーの方が、7月にオープンしたカフェ・クレインポート鎌倉で行われました。
オーナーご夫妻も参加され、少人数でしたが、熱気ムンムン&創造性炸裂の3時間となりました。

みなさん、絵が苦手でほとんど描いたことない、どうしようどうしよう、と不安げな面持ちで描きはじめるのですが、3枚目あたりから、だんだんと描く絵が大きくなり、鉛筆の走る音も大きくなってきます。目つきも変わり、顔も紅潮してきます。
そしてドーンと大胆不敵(?)な絵が誕生します。

快画塾はもう何十回もやっているので、傾向もわかってきました。
3枚目で大胆不敵な傑作を生み出すのは、圧倒的に女性が多いです。
そしてなぜこんなふうに描けたのか訊くと、異口同音に「もういいや、どうにでもなれと思った」と言います。

快画の術は、固定観念を手放す術でもあります。

固定観念に縛られているうちは、どうしても「自分」で「描こう」としてしまいます。
自分を捨て、描くという意識を捨てると、自動的に絵は生まれます。

上の絵は、今回の受講生・Mさんが快画法で描いた映画俳優のモーガンフリーマンです。
快画の目的は本物に似せて描くことではありません。
モチーフは、固定観念を捨て、自動的に絵を生み出すきっかけに過ぎずません。
何が出てくるのか、描いてみないとわからない。
今回のMさんは、モーガンフリーマンきっかけから、つのだひろが降りてきたようです(そっくり!)

ワークショップ終了後のMさんのご感想。

とても楽しく絵を描くことができました。
潜在意識をそのまま浮き上がらせ、絵として表す事を教えていただいたのだと思います。
(一体なにが起こったのか、理解していないので、こんな感想です)
左脳をだまらせる方法、本当にすごいですね。だまっちゃいました!!
また参加させていただきますので、よろしくお願い致します。ありがとうございました。

そう!「自分」が「描いた」のではなく、それはただ「起こった」のです。

1枚描き終えるたびに「え、ナニ?ナニ?」と驚いたような表情をしていたMさんがとても印象的でした。
自分は描き手であると同時に、眼前で起こる出来事をただ眺めている、という感覚。
「なんでこんな絵が生まれたんだろう、自分が描いた気がしない」という、アノ感覚ですね。

「描くのではなく起こる」を体験したMさん、これからとんでもない傑作を生み出すかもしれません。
楽しみです。




ABOUTこの記事をかいた人

1965年生まれ。セツ・モードセミナー卒業。1990年より創作活動を開始。 人間の顔をメインモチーフに、様々な表現法を駆使して作品を量産。2003年、バーチャルタレント集団 「キムスネイク」を生み出し、個性的なキャラクターのアニメーションを、テレビ番組やCM、WEB等で発表。 主な仕事:「ベストハウス123」「マツコの知らない世界」「GLAY」「VAMPS」など。 主な受賞:第7回イラストレーション誌「ザ・チョイス」大賞受賞、アヌシー国際アニメーションフェスティバル(2010)など多数。 絵の講師歴25年。 神戸芸術工科大学非常勤講師