3回目のイラストレーション講座は、伊丹万作のエッセイ「顔の美について」(http://www.aozora.gr.jp/cards/000231/files/1195_7950.html)を読み、印象に残ったシーンを選び、挿絵を描きます。エッセイの内容に絵のことをからめつつ、感じたことを書いてみたいと思います。
(伊丹万作「顔の美について」より)
これ、こんなふうに↓言い換えてみました。
美的精神とは何か。僕が思うに、無邪気さ、素直さ、誠実さ、楽しい、気持ちいい、と感じる心。
極端なはなし、絵に精神の美が宿っていなくても、形を整える術に長けていれば、イラストレーションとして機能させることはできるでしょう。イラストレーションになりうる絵とはどのような絵なのかを知り、そこに照準を合わせて整形術を磨いていく。これはこれでひとつのやり方ですが、ほかに、美的精神を注ぎまくって絵画術を磨き、まずはその造形美を見る人に感じさせ、且つそれをイラストレーションとして機能させるための応用術を身につけるというやり方もあるかと思います。当教室では、後者をやっていきたいですね。
上手くても下手でも繊細でも大胆でも、何でも良いので、「この人だからこそこの絵になった」ということでないと。
今回の挿絵講座では、どちらかというと整形術のほうに意識が寄り、いつもの自由さは若干陰をひそめた感がありましたので、これからは受講生一人一人に宿る美的精神をひたすら肥やしていこう!と決意を新たにしました。