こんにちは。木村タカヒロです。
今日はNori Bee作品をご紹介します。
プロの料理家であり、高校野球のコーチもしているNori Bee氏48歳。
当教室へは「頭の体操」の目的で通ってくれています。
「いい趣味ができた」と、教室でやったことを自宅でおさらいしているらしく、作品が仕上がると、写メで撮って僕に送ってくれます。
第一回目のドローイング講座のあと自宅で描いたNori Bee氏のヒーロー、ロッキー。
いままで絵を教わったことはなかったそうですが、丁寧に描かれていて良いですね。
教室でやった「デフォルメしてみよう」の実践。目つきがイイですね。試合前の不安と緊張の表情でしょうか。
「絵を描いてると無心になれてイイネ。趣味でやってる釣りと似てる」とNori Bee氏。
むくむくと創作意欲がめばえ、「色をつけてみたい」と世界堂でコピックを購入!
リスペクトしている大投手・沢村栄治選手をイメージして描いたそうです。いい絵ですね〜あったかいですね〜。
その後も描きまくっているようで、ほぼ毎日僕のところに画像が送られてきます。iPhone開くたびに「あ、また来てる!」とワクワクの日々。僕より描いてるなあ。。苦笑
そんななかで迎えたコラージュ講座の一回目。実技と講評が終わり、時間が余ったので、マジックで一発描きドローイングをやりました。
モニターに外国の映画俳優を映し、それを見て下描きせずに10分で顔を描きます。
おお、上手い!線が生きてる。表情がイイ。ブルーの瞳を線でうまく表現してる。
上のロッキーや沢村選手は、作者の愛が伝わる「良い絵」ですが、この顔の絵はプロが描いたっぽい「上手い絵」となりました。
本人もどうしてこんな線が引けたのかよくわからない。もしかしたら「下描きできない」ことで開きなおり、そこからグッと集中できたのが良かったのかもしれませんね。
この絵のどこがよいのか本人が自覚する必要はありません。「これを上手い絵と人は云う」ということだけわかってもらえばOK。
「Nori Beeさんの「上手い絵」は、どうも一発描きによって飛び出すっぽいので、さあ、一発描きで描いてみて!」と伝えたところ、早速翌日に「やってみた!」と画像が送られてきました。
一発アドリアナ・リマ。「背景は過日の講義で見た作品をマネした。てへぺろ」とご本人。マネおおいに結構!というか、マネじゃないですよ。インスパイア、です!自分がグッときたものはどんどん取り入れよう。
おおおお、怒濤の一発攻勢!
紙を前にして集中力を高め、息を凝らして、じっくりしっかり描いてる作者の姿がビンビン伝わってきますね。
自分で勧めておきながら、あまりの秀逸さに思わず「これも一発?」とメールで聞いてしまいました。
「そう。一発描きしかやってはいけない気がしてきた笑」との返事。
これから彼を一発屋と呼ぶことにしよう(^^)
Nori Bee氏は一発描きという縛りによって、ぽーんと飛躍したのですね。向上というより飛躍。上に向かうというより飛び跳ねるかんじ。
ロッキーとポールニューマンを比べて、絵としてどちらが上か下かということではないです。ロッキーの絵も素敵ですよ。だって、愛があるもんね。
ただ、ポールニューマンは、あきらかにロッキーとは違う次元で描いてますよね。飛び跳ねた場所で描いてる。これが面白い。
同じ練習を繰り返し、たくさん描いてればだんだんと絵の技術は向上します。しかし、飛躍はいつ起こるかわかりません。あるキッカケによって、想像を絶するような絵が5分後に生まれる可能性もあります。
いま振り返ってみると、コラージュで余ったあの10分間は、「一発屋Nori Bee」を生むための「奇跡の時間」(ミラクルアワー)だったといえるでしょう!
なーんて、こじつけかもしれませんが、僕はこういうこじつけが好きです。
教室ではあの手この手でキッカケを作り、飛び跳ねる瞬間を見つけて、「あ、いま飛んだよ!跳ねたよ!」と熱く目撃談を伝え、ミラクルアワーを共有していきたいですね。
こういった飛躍はNori Bee氏だけではなく、他の受講生の皆さんにも起こっているので、またこのブログで紹介していきたいと思います。