快画塾広島クラスに昨年から継続してご参加いただいているライターの神垣あゆみさんが、自身のメルマガで快画の体験談を綴られており、これがもう、「これを読めば快画のこと全てまるわかり!」という素晴らしく有難い内容であるため、当ブログへの転載をお願いしたところ、快諾いただいたので、どどん、と一挙掲載します。
昨年の夏に浴衣姿で初参加された神垣さんは、快画のやり方に少し戸惑っていたようで、首を傾げながら描いていたのを覚えています。しかし、回を追うごとに、傾げていた首は「ウン、これでよし」と言わんばかりに、縦に揺れだして、絵もどんどん大胆かつ自由になっていきました。なぜ神垣さんは大胆になれたのでしょうか。私が思うに、それはきっと、好奇心です。
初参加の方は、最初はほぼ全員、快画に戸惑い、首を傾げます。「意味わからん」ですからね。そこから先の別れ目はきっと、「意味わからんけどなんか面白そうだから言われた通りやってみよう!」という好奇心なんだと思います。
好奇心を持って飛び込んでいくと、アタマ空っぽ状態となり、大胆に線を引けるようになります。言葉や意味に囚われていると、なかなか好奇心が発動しません。
神垣さんは言葉を扱うプロですから、当然はじめは言葉で意味を理解しようとして「意味わからん」と首を傾げていたのだと思います。それを好奇心によって打ち破ったものだから、その振り幅は通常時よりも大きく、一気に大胆に描けるようになったのでしょう。
最近ではもう何を描いてもカミガキタッチになります。太い線でビシビシ描きます。首も動きません。大胆不敵です笑。
神垣さんは、「仕事美人のメール作法」というメールマガジンをほぼ毎日発行しています(12年間も!)。敬語の使い方など、とても参考になります。
では、神垣さんの快画体験記をどうぞ!
“無”になる体験って大事
わたしの快画体験-1(20160731)
昨日は、ドローイングと即興コラージュの
ワークショップへ行ってきました。
技術的に優れた「絵画」よりもまず、
描いて楽しく気持ちいい「快画」を描きましょう
という教室で、
6人の参加者は、皆
明らかに10代、20代。
堂々の最年長参加でした。
今まで絵を描いたことがない人でも
「3時間後には描けるようになっている」という
ワークショップだったのですが
つくづく感じたのが
中学、高校と美術部で、まがりなりにも5年
描き続けた経験が邪魔をしている、ということ。
毎月、通っているクロッキー教室でも
感じていることなのですが、
1本の線で形が捉えられないんです。
幾つか線を引いて、現物に近づけるという
腰の引けたやり方が身に付いていて、
形をそのまま捉えて素直に描くことができない。
でも、それって
過去に描いてきた経験、つまり「絵心」が
邪魔していたんですね。
「上手い絵」の基準が自分の中にあり、
「上手く描く」ことを目指しているから、
結果的に、小手先でごまかしたような
姑息な線になる。
わたしが求めているのは
「生きた線」
で描くことなんですが
それができないな〜というのが
ここ最近の小さな個人的な悩みでした。
でも、昨日のワークショップで、
ヒントが見つかりました。
描く前に考えてるんだよな〜。
ワークショップの後半は
コラージュを自分で作ったのですが、
でき栄えは別として、
切ったり貼ったりを無心で作業し終えた後の
爽快感がなんともいえませんでした。
絵を描いたり、コラージュ作ったりする以外でも
何かを無心に、夢中になってすることって
大事な気がします。
経験が実は重い荷物になっていることがあり、
そこから自分を解放する瞬間って、
あった方がいいと思うからです。
ちょっとまた
描く意欲がわいてきました。
同じ「かく」でも、こんなに違う
わたしの快画体験-2(20160903)
先週土曜日は「快画塾」という
「誰でも3時間で自動的に絵が描けるようになる」ワークショップへ
行っていました。
このワークショップへの参加は
今回が2度目。
前回はドローイングとコラージュの2本立てだったのですが
今回はドローイングのみ。
参加者の中には、仕事や趣味で絵を描きなれた人もいれば
わたしのように以前、描いたことがある人、
そして、描いたことがないから描けるようになりたくて参加した
という人と、いろいろいます。
最初は10分程度で先生の顔を描きます。
その後、一人ずつの絵を先生が皆に見せるのですが
このとき、現役で描いている人と今回初めてという人とは
明らかに描いた絵に差があり、初めての人は10分で描ききれないことも。
2回目からは条件を変えて、また先生の顔を描いていくのですが、パチッとスイッチが入る瞬間があって、最初ほとんど描けなかった人が、最後には「え!? これ同じ人が描いた絵?」
と思うくらい大胆に描けるようになっています。
他人事ながら、こうしたBefo・Afterの変貌ぶりを目の当たりにするのがうらやましくもあり、楽しくもあるのが
「快画塾」の面白さです。
元・美術部員のわたしは、最初の絵が少女マンガのようなタッチになります。
50歳にもなって、未だ
自分の中に乙女チックな部分が残っているのかと思うと、こっ恥ずかしい限りなのですが
今回はわたしにもスイッチが入り、後半から
「あ〜、こういうものの捉え方が得意なんだ!」というのが自分で分かりました。
文章を「書く」ときに使う脳と
絵を「描く」ときに使う脳って違うんです。
だから、描くってものすごく脳のストレッチになる!
と改めて気づきました。
「自分探し」という言葉がわたしは大っ嫌いですが
実は、絵を描きながら自分を探しているのかもしれません。
でも、描くことにだんだん没頭していくのって
すごく楽しい!
そんなわけで来月も参加しようと思います。
木村タカヒロの快画塾 広島クラス。
絵の描き方というより、ものの見方、捉え方を
教えてもらえますよ。
「こんなん描けてしまいました!」という発見
わたしの快画体験-3(20161003)
3度目の参加になる
「快画塾」広島クラスで
絵を描いてきました。
「快画塾」の特長は、“誰でも、3時間で、自動的に絵が描けるようになる”こと。
「絵を描くのは苦手」とか、「今まで絵を描いたことがない」という人ほど、「ウソ〜っ!」
と本人や他の参加者が思うほど、3時間で本当に描けるようになります。
「快画塾」では、
いわゆる写真のように上手く絵を描くことに重きを置いていません。
モデルをしっかりと見て、紙にそのまま描く・・・
それだけですが、同じモデルでも
描いた絵は全員
違います。
それでよし。
「快画塾」で教わるのは、写真のように描く技術ではなく、描くための視点。
例えば
人物の目や鼻といったパーツから描いていく場合と、全体の輪郭から描いていく場合を試してみると
自分がどちらが描きやすいか、というのが分かります。
わたしは全体を捉えて、輪郭を先に描いてから細部を描いていく方が得意と思っていたのですが、
パーツから攻めていく描き方も案外できるのだな、と分かり、
自分でもびっくりしました
(性格が雑だから、丁寧な作業はできないと思っていたので)。
そして、細部を丁寧に描くワークの後
10分でモデルを描くワークをすると、ババッと思いきって描けて、気分爽快。
「描く」といっても
色々な手法があり、それを体験しながら、「こんなん描けてしまいました!」
という発見が「快画塾」にはあります。
人の絵を見て
自分もあんな風に描きたい!
と刺激を受けるのも楽しい。
絵を描いたことない、という人も、以前描いていた、という人も
脳に風穴をあけにぜひ、参加してみるとよいと思います。
コラージュは楽しい!
わたしの快画体験-4(20161105)
8月から月一ペースで参加している、木村タカヒロさん主宰の木村創作教室のワークショップ。
11月5日(土)開催の広島クラスは、コラージュ編です。
ドローイングも楽しくて
時間があっという間に過ぎてしまうのですが、コラージュはさらに時間が経つのが早い!
夢中というか無心に
切ったり貼ったりを繰り返しているうち
に「え? もう、終わり!?」
という感じです。
木村創作教室のワークショップの
最大の楽しみは
「制作中に起こるドラマ」に遭遇すること。
それは、自分が描いたり作ったりした作品かもしれないし、人の作品かもしれないけれど、
同じ場所と時間を共有した人たちの中から、魔法のように小さなドラマが生まれます。
でも、実際は魔法ではなく、人の手と感性が創りだすものなんですよね。
ブレないわたし
わたしの快画体験-5(20170204)
毎回、楽しみに通っている「快画塾」。
先週の土曜日に、広島での11回目のワークショップが開催され、大学生の長女とともに参加してきました。
わたしは、かれこれ
5回くらい参加しているのですが、毎回面白い。
でも、講師の木村タカヒロさんの
快画指導は、毎回ほぼ変わりません。
参加者全員で
モデルの木村さんの顔を描いていくのですが
1回目、2回目、3回目・・・
と描き方というか、描くときの視点を変えていきます。
すると、みんなどんどん描けていく。
「絵を描いたことがない」「絵を描くのが苦手」という人の方が伸びしろが大きいのも特長で、3時間後には力強い線で大胆に絵が描けているから、不思議。
快画塾のもう一つの特長は
そんなふうに「描けていく人の様子」を
見るのが楽しいし、うれしいんです。
普通、自分よりうまく描けた人がいたら
嫉妬のひとつもしそうなもんですが、「わぁ、この人スゴイ!」
と、人が描けていく過程をリアルに目にするので
なんだか感動してしまうのです。
だから、毎回通ってしまう。だって、右脳がビンビン刺激されるんだもん。
毎回、わたしも快画塾で木村さんの顔を描いているのですが、
最近は何度描いても埴輪のようになります(←ブレないと言われる理由)。
挙句の果てに
黒目がちな木村さんの目を「白目が少ないから描けない!」と
モデルのせいにして文句を言う始末(←真似してはいけない例)。
なぜ、「快画塾」へ通うのか?
わたしの快画体験-6(20170311)
なぜ、わたしが
「快画塾」へ通うのか。
今さら、絵がうまくなりたいわけではなく、
でも、絵を描く機会や場には
身を置いてみたい。
同じ「かく」行為でも
絵を「描く」ことで、
文章を「書く」ことに
好影響が出たらいいな、と思うからです。
「快画塾」では
「絵が描けるようになる」ための
様々なアプローチ(実験)をしていきます。
だから、3時間後には
「絵心がない」と言っていた人たちが
額に飾ってもおかしくない
生き生きとした線で、
素敵な絵を描きあげていたりします。
視点の変化や、
捉え方の変化が起こった結果、
自分の凝り固まった意識や思考を
ストレッチするような感覚があり、
教室が終わった後、妙に気持ちがいいというか、
心地いい。
普通、人の描いたものを見て
最初、自分より下手だった人が
後で自分よりうまくなっていたら、
やっかみそうなものですが
「快画塾」では、
「わぁ〜、すごい!」と
素直に感動してしまう。
だから、場の力ってすごいなと思うし、
参加者が変わるたび、また別の感動があるので
続けて通いたくなるんだと思います。
「絵を描く」ことをきっかけに
いつもと違う観点で物事を捉えたり、
無心で描く作業に没頭したりするのって、
普段、オフィスで仕事ををしている人にこそ
体験してみてほしい。
というか、した方がいい!
と感じます。
「快画塾」は、絵がうまくなるための教室ではなく、
脳のストレッチのための教室だと思います。