SOUL DRAWING〜油性ペンで描くドローイング〜

こんにちは。木村タカヒロです。春になりましたね。

 
「ドローイング〜イラストレーション〜アニメーション〜キャラクター〜コラージュ〜作品講評」を1クールとし、このローテーションを繰り返してジワジワと創造の底力を養っていくことを目指している当教室ですが、いよいよ2クール目に入りました。

 
今回のドローイング講義のテーマは「瞬間描写」です。動き続けるモチーフを見ながら40分間ひたすら描きます。
これは昔、画家の絹谷幸二さんが講師をつとめるNHKの絵画講座のなかでやっていた練習法で、番組では、激しく踊り続けるダンサーを数人の学生が囲んで瞬間描写していました。「面白いことやるな〜」と印象に残ってたので取り入れてみました。

 
今回、教材に選んだのは「ソウルトレイン」。
大きなモニターにYOUTUBEの映像を流し、矢継ぎ早に登場する個性的なダンサーたちを描きまくります。

 
まずはB4の紙に鉛筆でドローイング。パッと目に飛び込んできたものを素早く描きます。頭でいろいろ考えません。目と手が直結する感じ。描きながらさっき見た残像がよみがえってきたら、それも描く。
 
「行だと思ってやってください♪」
 

 
踊る!踊る!踊る!
描く!描く!描く!

 
dr01

 
ソウルミュージックと鉛筆の走るカリカリ音が相まって、ディープでファンキーな(?)40分間となりました。
「面白かった」「難しかった」「苦行のようだった」「映像に出てくるダンサーたちが面白すぎて見入ってしまった」など感想が出ました。

 
次の40分。
「ソウルトレイン」をテーマにマジックで一発描きイラスト制作。
自分が描いたラフを参考にするもよし、映像を思い出すもよし、ドローイングの勢いのまま何も考えすに描くもよし。
前半で小刻みにジャブを繰り出し、後半でトドメのストレートを打ち込んで試合を決めるかんじです(雰囲気で言ってますが笑)。

 

 
MARU作品
maru
前半戦でMARUさんは、ものすごい集中力で一気に20枚ものドローイングを描き上げました。「こういうの大好き」だそうです(^^)
「手を動かす」という絵を描く行為の根源的な快楽を思いきり享受できるのは素晴らしいことです。そうやって人知れず鬼のように特訓して(遊びまくって)、本番では肩の力を抜いて描く。いいですね〜線が活きてます。

 
saoru作品
saoru
saoruさんはなんとSOUL trainのDVDを持っていたそうです!しかもBOXで!ですが「たぶんもう見ることもないよね〜」なんつってつい先日処分してしまったそうです。ううう勿体ない……。こんなところで再び見ることになってしまいましたね。因縁、ですね。ダンサーのクネリと背景のシマシマ曲線がよくマッチしてます。尻のラインがセクシーで僕は好きです。

 
Nori Bee作品
noribee
「うーん難しかった。俺はやっぱり止まった対象を見ながらじっくり描くのが向いてるかもな〜」とNori Beeさん。これは重要な気付きです!いろんなアプローチを試すことは、可能性を広げる一方で、苦手を自覚できる機会を与えてくれることもあります。苦手がわかれば、うまくいくことだけに専心できますからね。
 
新しい手法を試したり、描くときの意識がほんの少し変わったりするだけで、納得のいかない仕上がりになってしまうことが僕にもよくあります。そんなときは悔しかったりもしますが、一方で、そういった失敗(と思われるもの)から新たな発見が生まれることも少なくないので、いろいろとやってみる価値はおおいにあると思います。

 
ゼキコ作品
zekiko
ゼキコさんが描く人物は、いつもどこか寂しげで同情を誘います。今回も、あんなに楽しそうに踊っている(ように見えた)ダンサーたちの心の内を見事にえがいてくれました。パートナーに何か不満があったのですかね。

 
maiting-geel作品
mai
この女性がとても印象に残っていたのだそうです。全体重を右足でしっかり支えていて逞しいです。こうやってたくさんのダンサーたちのなかから印象深い人をフューチャーするのもいいですね。「この女性は成長したミー(ムーミンの)だね」ということで皆の意見が一致しました。

 
Sくん作品
sawa
傑作誕生じゃないでしょうか!
音楽を感じますね。ソウルを感じますね。ソウルミュージックとダンサーたちの調和と同じように、この絵は曲線の組み合わせ、白黒のバランス、構図のどれもが心地よく関係し合っています。

 
Mちゃん作品
momo
オシャレっ。動画のエッセンスをうまく自分の絵に取り入れて主人公を立たせましたね。背景にはアクティブなダンサーたちが柄のように入っています。

 
 
あれこれ考えずにたくさん描いてみる。じゃんじゃん手を動かしてみる。
今後も趣向を変えて取り組んでいきたいです。

 


ABOUTこの記事をかいた人

1965年生まれ。セツ・モードセミナー卒業。1990年より創作活動を開始。 人間の顔をメインモチーフに、様々な表現法を駆使して作品を量産。2003年、バーチャルタレント集団 「キムスネイク」を生み出し、個性的なキャラクターのアニメーションを、テレビ番組やCM、WEB等で発表。
主な仕事:「ベストハウス123」「マツコの知らない世界」「GLAY」「VAMPS」など。
主な受賞:第7回イラストレーション誌「ザ・チョイス」大賞受賞、アヌシー国際アニメーションフェスティバル(2010)など多数。
絵の講師歴25年。
神戸芸術工科大学非常勤講師