コラージュ「ROOM」

コラージュ2回目のテーマは「部屋」です。
ベースとなる部屋と部屋に入れるアイテムの画像を使って構成します。
制作に入る前に、参考作品としてリチャードハミルトンの「一体何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか」を見てもらいました。

 

使用画材:アイテム写真、ハサミ、のり、画用紙
制作時間:1時間

 

sozai1 sozai2

アイテム写真。これ以外に、同じ写真のモノクロ版もあります。部屋の画像は必ず使用しますが、他のアイテムは全て使用しなくてもOKです。

 

では受講生のみなさんの作品を見ていきましょう。

 

ゼキコ作品
zekiko
これぞコラージュの醍醐味!作者の遊びゴコロがぎっしりと詰まった作品です。鑑賞者はこの作品を眺めながら、ゼキコさんが制作時に「うふふふ」と遊びゴコロがひらめく瞬間を、ゼキコさんと同じように感じることができて、楽しい気持ちになります。ブルーの配置やモノクロの配合など、構図も計算されています。

 

Maiting-geel作品
maiting
四角い小さな部屋にウズ巻。怖いです〜。丸い形状のアイテムはウズと一緒に回転。四角いドアははぎ取られてしまいました。ウズの勢力はドアの向こう側にまで及び、赤子も泣きながら回転しています。
私ごとで恐縮ですが、以前、小さなギャラリーで顔面コラージュの展覧会を催した際に、歪んだ顔がぎっしり並ぶ部屋に足を踏み入れた女性客が「ううう目がまわる〜」とよろめき、小さな息子さんが「ママ〜コワイよ〜」と泣き叫び会場内をグルグル走りまわっていた光景を思い出しました。いまごろ彼は成人している頃だと思いますが、トラウマになっていないとよいです。

 

saoru作品
saoru
真夜中に突如浮遊しだした家具たち。「オギャ〜ヤメテ〜」赤ちゃんの声は届きません。床をモノクロにすることにより浮遊感が際立ちましたね。富士急ハイランドのビックリハウスを思い出しました。

 

Nori-Bee作品
nori
長年、「シェフのお弁当屋さん」として某オフィス街に君臨しているだけあって、配置がうまいです。
無意識のうちに全体を弁当箱に見立て、壁、天井、床で仕切り、おかずを入れるようにアイテムを置いていったように見えます。
たとえば天井と壁の間の赤い仕切り線や、床の真ん中を黒くするなどの処置は、おかずの汁が隣と混ざらないよう、仕切りを入れる作業が習慣化されているのでしょう。仕切るセンス、配置するセンス、そしてそれぞれのおかずにひと手間加えるこだわり。「シェフはコラージュが得意」ということが判明しました。

 

MARU作品
maru
絵画作品では、絵具の盛り具合や筆勢によって作者の制作時のテンションが作品に現れたりしますが、コラージュも同じです。素材の切り口、配置を見ればMARUさんがグッと気持を高めて制作したのがわかります。

 

Sクン作品
sawa
ストイック!引き算の美学!まさか素材を輪郭のみで表現する作戦に出るとは驚きました。制作前に見たリチャードハミルトンにまるで影響されていないところもイイ。
お題が変わるたびにゼロから(しかも即興で)表現手段を変えるSくんには、スタイルにとわられない「実験の達人」(つまりはアーティスト)になってもらいたいですね。

 

Mちゃん作品
momo
とても計算された作品ですね。天地の余白の使い方もウマイです。素材を手で破くと、その切り口は、貼ったときに白い線となってあらわれます。どんな幅の切り口になるかは偶然ですが、それを線として選び取り作品に仕立てるのは、作者の確信です。

 

 

うーむ、みなさんどんどん良くなっていますねー。では最後にひとこと。

 

一体何が受講生の作品をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか!

 
 


collage

ABOUTこの記事をかいた人

1965年生まれ。セツ・モードセミナー卒業。1990年より創作活動を開始。 人間の顔をメインモチーフに、様々な表現法を駆使して作品を量産。2003年、バーチャルタレント集団 「キムスネイク」を生み出し、個性的なキャラクターのアニメーションを、テレビ番組やCM、WEB等で発表。 主な仕事:「ベストハウス123」「マツコの知らない世界」「GLAY」「VAMPS」など。 主な受賞:第7回イラストレーション誌「ザ・チョイス」大賞受賞、アヌシー国際アニメーションフェスティバル(2010)など多数。 絵の講師歴25年。 神戸芸術工科大学非常勤講師