「描いた」というより「生まれた」M.chikoaのヘンテコいきもの

木村創作教室のオンラインクラス・DRiLLでは、毎月ひとつの課題を出題し、各人のペースで制作したものをデータで送ってもらい、それを講評動画にして配信するというスタイルでやっています。

今回は2017年12月のテーマ「ヘンテコいきもの」のなかからM.chikoaさんの作品を紹介します。
課題の内容はこちらをご覧ください→12月のプロジェクト「ヘンテコいきもの」

この課題のねらいは「無意識と意識の往来」です。

まずは何も考えず、無意識の状態で手を動かします。
途中で「は、私は何をやっているんだ!」と覚醒してもOKです。その覚醒をも「あ、いま覚醒したなあ」と意識しながら手を動かし続けます。
そうしてまた無意識状態に没入〜そして覚醒〜それを繰り返します。

M.chikoaさんの感想。
1枚目は「いきもの」という言葉を意識してしまって頭から離れなかったけど、2枚目以降から「考えないで手を動かす」感覚に持っていけるようになり、一気に4枚目まで描きました。

「考えないで手を動かす」感覚に持っていく

そうそう、そういうことです!
無意識の方向に「意識して」持っていくんです。
M.chikoaさんは2枚目にその感覚を掴み、そこでやめずに4枚描き進めたのが良かったです。ここが勝負の分かれ目です。

出てきた出てきた。意味不明のヘンテコたち。
ではこれに色を塗ってみよう(意識)
画材は色えんぴつを使おう(意識)
上から順番に塗っていこう(意識)
目をつむって色えんぴつを手にとろう(偶然)
目に飛び込んできたスペースを、塗る、塗る、塗る(無意識)

M.chikoaさんの感想。
色塗りは、「無意識」と「思考」の繰り返しに揺れながらの作業でした。

そうですそうです。どんどん揺れてください。
無意識と思考の振幅のなかで創造性は高まります。


さて、無意識状態で鉛筆を走らせてヘンテコたちが生まれました。
つぎにそれを「いきもの」にすべく思考を繋げていきます。

ヘンテコいきものが生まれました!

M.chikoaさんの感想。
合体作品の創作の際は、「何っぽいかなぁ」「お祭りみたい」「鳥のような生き物に見える」
というような思考でできました。

「考えないで手を動かす」で生まれたパーツを使って、「合体」させていく工程が一番楽しかったです。

M.chikoaさんは小さいころから絵を描くのが好きで、鉛筆で写真をみながら動物や静物を模写していたそうですが、
模写・写実ではなく、オリジナル作品の創作ができるようになることが目標だそうです。

今回生み出したヘンテコいきものたちは、紛れもなくM.chikoaさん独自の線によるM.chikoaさんのオリジナル作品です。
目標達成ですね!

オリジナリティの見つけかたは、写実的に描く、綺麗に色を塗る、などの技術的な訓練とは別のところにあります。
絵の勉強となると、どうしてもテクニックの習得一辺倒になりがちですが、頭で考える(または考えないようにする)ことも重要です。
超絶テクニックでオリジナリティを目指すのは難しいですが、テクニックが至らずとも思考を駆使することによってオリジナリティを見出すことは可能です。

今回のヘンテコいきものは、「描く」というよりは「生みだす」ための実験でした。

M.chikoaさんは柔軟に思考をめぐらせて、ヘンテコいきものを生み出すことに成功しました。
次回も期待しています!





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ABOUTこの記事をかいた人

1965年生まれ。セツ・モードセミナー卒業。1990年より創作活動を開始。 人間の顔をメインモチーフに、様々な表現法を駆使して作品を量産。2003年、バーチャルタレント集団 「キムスネイク」を生み出し、個性的なキャラクターのアニメーションを、テレビ番組やCM、WEB等で発表。 主な仕事:「ベストハウス123」「マツコの知らない世界」「GLAY」「VAMPS」など。 主な受賞:第7回イラストレーション誌「ザ・チョイス」大賞受賞、アヌシー国際アニメーションフェスティバル(2010)など多数。 絵の講師歴25年。 神戸芸術工科大学非常勤講師