木村創作教室メンバーのバナ子さんを紹介します。
バナ子作品については以前もブログで記事にしていますので、そちらもご覧ください→「傑作スイッチ発見」
このなかで、なぜバナ子作品が傑作と呼べるのかは「僕(木村)がそう決めたから」であり、その理由はこんど書くといいながら書いていなかったので、いま書いておきます。
まず前提として、人にはそれぞれ個別の「傑作ポイント」があると僕は考えます。
そのポイント(点)は、いつ現れてくれるのかわかりません。技術的修練を積んだ末に現れることもあれば、ふとした拍子(たとえば初めての画材を使ったときなど)に現れることもあります。
現れるときはいつも独立した点として現われ、その前後に繋がりや脈絡はなく、なかなか「線」にならない、という特徴があります。
傑作ポイントを捉えたとしても、つぎに描くときにそこを起点にしてしまうと、ほとんどの場合、前作を上回るほどの作品にはなりません。
「また前作のように描かなくては」というバイアスがかかり、点を生み出すという「創造」から、(点を繋げて)線にするという「模写」になってしまうからです。
バナ子さんは、傑作ポイントを捉えるのが非常にうまいです。前作を引きずることなく、その都度、一発勝負の世界に没入できるんですね。
傑作というのはそう容易く生まれるわけではありませんし、絵描きにとって傑作がすべてではありません。
プロフェッショナルの条件としてはむしろ、スタイル確立後にうまく自己模倣を繰り返しながら安定的に佳作を量産できるほうが良いでしょう。
この教室で僕が絵を見るときに基準にしている傑作ポイントは、何にも縛られず自由に創造しているか、という一点。
だから僕はバナ子作品を傑作と呼んでいるのです。





展覧会情報
AIMI SAWANOBORI & BANAKO 『魔法なんていらない』
会期:2017.4.30-5.6
会場:デザインフェスタスタギャラリー2-C